丸紅コミュニティ株式会社
「居住者の安全と快適な生活を守ることが、管理員の仕事」。多くの管理員から期せずして同じ言葉が出るのも、昨今の日本の治安悪化に対する不安の大きさを物語っています。今回は、マンションのセキュリティ問題にさまざまな工夫を重ねて、日々取り組む2組の管理員を紹介します。
平成11年4月入社。夫妻で「ファミール駒込」の住込管理員に。
JR山手線の沿線にあって、江戸情緒が残る閑静な住宅街の中にある「ファミール駒込」。敷地内には大小100本以上の樹木という緑豊かな環境。
「ファミール駒込」は、江戸情緒の残る閑静な住宅地の中にあるマンション。不審者や押し売りなどが入り込まないようにするために、牛谷管理員は清掃・点検などルーティンワークの合間にも、常にフロア全体を見渡せる廊下部分に出て見回りするように心がけているとのこと。長い管理員の経験から、見いだしてきた安全対策の一つです。
企業の女子寮の管理員経験を経て、このマンションの管理員になった牛谷。「当初は業務内容の大きな差異にとまどうことも少なくなかった」と言います。とはいえ様々な経験を重ねるうちに「マンションの管理員というのは、居住者の皆様の財産をお守りする仕事」という考えを強く持つようになったそうです。
管理員にとって、マンションのメンテナンスや施設管理だけでなく、人間関係を含むソフト面の管理も重要な仕事。居住者には積極的に声をかけ、コミュニケーションを取るようにしています。コミュニケーションが円滑であればコミュニティとしての結束が固くなり、それだけ防犯意識も高まるからです。
モットーは「生涯勉強」。管理員の仕事は探せば山ほどありますが、その中で課題を見つけては答えを探す毎日とのことで、「この仕事は毎日が新鮮ですね。達成感もあるのでやり甲斐があります。」という牛谷管理員です。
平成12年7月入社。「ファミールハイツ堺二番館」の管理員に。月〜金9時〜17時、土9時〜12時勤務。
南海鉄道の「七道駅」から徒歩10分。一番館と二番館を合わせて総戸数310戸の「ファミールハイツ堺」(大阪府堺市)。
H管理員が住み込みで働くようになった平成12年当時は、マンション駐輪場の放置自転車が目立ち、美観を損ねると問題になっていました。住環境の悪化は、無用のトラブルを誘います。
収容台数450に対して、置かれた自転車は650。「全然使っていないような自転車も多く、持ち主にお聞きしても“まだ使えるかもしれないから”と処分する様子がない。これはルールを作って、半ば強制的に処分するしかないと思いました」
その後自ら、規約のたたき台を作成。H管理員は「登録された自転車にステッカーを貼り、それ以外のものについては処分すること」や、1台目は500円、2台目以降は300円と駐輪代を有料にすることなどを提案。その結果駐輪場に関する新しい規約が総会で可決されました。不要な自転車もようやく処分されるようになり、現在利用されている駐輪場は420台で納まっています。
総会に提案したのは、これだけではありません。マンションのセキュリティを脅かすピッキング問題にも関心を寄せ、いち早くピッキング対応の鍵交換を提案。他に先駆けて鍵を付け替えていた「ファミールハイツ堺」では、まったく被害にあっていないそうです。
他にも、インターネット回線として光ファイバーの導入を理事会に提案した上で、業者と折衝して初期設定費用を業者負担として管理組合の負担の軽減に寄与しました。
トラブルの種は「未然に防ぐのが管理員の仕事」と常に問題意識を持ち、「居住者の皆様に快適に暮らしていただくために何をすべきかを考えつつ、費用のかかることや居住者の協力を必要とすることについては理事会に提案しています。」と、積極的に議題を提案するH管理員です。