
修繕積立金の目的と金額改定 |
築5年のマンションの管理組合ですが、修繕計画予算を作ったところ、現行の修繕積立金の月額徴収額のままでは、将来の大規模修繕費用が賄えないおそれがあることが判明しました。修繕積立金の改定を考えていますが、どのようなところに注意して、進めればよいのでしょうか? |
マンションにおける共用部分の修繕にかかる費用は、その規模が大きな事もあり相当額にのぼります。修繕積立金は、将来必要となる大規模な修繕工事の実施に備え、予め毎月区分所有者から所定の金額を拠出してもらい、積み立てていくことで、工事の実施時点にいきなり巨額の修繕費を徴収することなく、円滑に必要な修繕工事を行なうためのものです。 従って、修繕積立金を利用して行なう工事は、「大規模修繕」あるいは「計画修繕」と呼ばれるものが対象となります。具体的には、手摺等鉄部の塗装、外壁の塗替え、屋上防水の取替え、給水管の取替え及び雑排水管の取替えなどが該当します。 また本来、修繕積立金の月額は長期的視野に立って、マンション修繕に、いつ、どのような工事に、いくらぐらいの工事費を掛ける必要があるのかを考慮し作成された「長期修繕計画」をもとにそれぞれの工事に必要な工事費を勘案して、設定されます。通常、マンションが新規竣工し居住を開始した当初数年は長期修繕計画による大規模な修繕工事は行われないので、修繕積立金はあまり使用されず、修繕積立金残高がかなりの金額になります。そのため管理費会計の資金状態が逼迫しているような場合に、管理組合が修繕積立金会計から管理費会計に資金をまわしたり、資金に余裕があると解釈して、区分所有者から徴収する修繕積立金を値下げする管理組合がときどき見受けられます。しかしながらそのようなことをすると、後日長期修繕計画に定められた重要な修繕工事が資金不足で実施ができず、将来的に大切な資産であるマンションの価値を下げるような結果になるおそれがあるので、十分に注意する必要があります。 なお、修繕積立金が足らないような場合には、区分所有者から追加で一時的な工事資金を徴収することになりますが、場合によっては一般の金融機関等から、一時的に資金を借り入れたり、住宅金融支援機構よりの融資を受けたりして資金調達することも考えられます。 修繕積立金とはそのような性質のものであることを理解したうえで、それでも修繕積立金の減額を行なおうとするようなときには、適切な長期修繕計画の資金計画を十分に配慮して、事前に十分な検討をすることをお勧めします。 |