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供託金を積んで管理費増額に反対する区分所有者への対処‐マンションに関するQ&A

マンション管理Q&A

Vol.09 供託金を積んで管理費増額に反対する区分所有者への対処

供託金を積んで管理費増額に反対する区分所有者への対処

管理組合で理事長をやっている者です。先の総会で管理費の増額が決議されたのですが、区分所有者の中で管理費の増額についてどうしても納得しない人がいます。その人は以前より管理費の減額を主張しており、今回も総会での増額の決議には強硬に反対意見を述べ、承認できないとして、増額が決定した日以降は、管理組合への支払を拒否し、従来の管理費金額を法務局に供託しています。このようなケースで管理組合としてはどのような対応を取ればいいのでしょうか。

まず、供託とはどのようなものか。
民法494条には以下のように定められています。

「民法第494条(抜粋)」
債権者が弁済の受領を拒み、又はこれを受領することができないときは、弁済をすることができる者は、債権者のために弁済の目的物を供託してその債務を免れることができる。

つまり、供託(弁済供託)とは債権者(本件では管理組合)が受領を拒んだ場合または受領することが出来ない場合に認められる制度です。このような場合には、債務者は供託をすれば債務を履行したことになり、債権者はその供託額分の請求も行えません。しかしながら、今回のように管理組合が受け取る意思があるにも関わらず債務者(総会で決議された管理費に承服していない区分所有者)が勝手に供託しているケースでは、弁済供託の条件を満たしていないので、債務者は債務を履行したことにはなりません。

従って、管理組合がこの区分所有者に対し全額請求することも遅延損害金を付加することも問題なく行えます。また、債務不履行であるとして管理費不払い分全額について法的処置を講じることもできます。しかしながら、管理組合は供託されている増額前の管理費を受領することができますので、まずはそれを受領した上で、残額について遅延損害金を付加するなり法的処置を講じる方がよいでしょう。

但し、この区分所有者に組合が考えている意図(管理組合は、総会で決議された額の管理費を受領する権利を有するが、管理費滞納分の一部を回収するため、供託された管理費を受領する)を通知せずに管理費を受領すると、管理組合が増額前の管理費でよいと認めたとされる可能性があります。

それを防ぐためには、その区分所有者に対し事前に管理費の請求を行っている旨と受領を拒否していない旨及び増額後の管理費を示し、供託金は管理費の一部として受領するが、増額後管理費との差額は滞納額(数字で明記)として存在する旨を内容証明郵便で通知する必要があります。
あわせて供託所の払渡請求書の備考欄にも同様の記載を行うとよいでしょう。

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