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賃借人は総会で管理費の値上げ(案)に反対できるか?‐マンションに関するQ&A

マンション管理Q&A

Vol.10 賃借人は総会で管理費の値上げ(案)に反対できるか?

賃借人は総会で管理費の値上げ(案)に反対できるか?

分譲マンションの1室を、賃借し入居している者です。先日、隣に住む区分所有者の方から、マンションの管理費が次の定期総会で値上げされるという話を聞きました。マンションの管理費の値上げは、そのまま賃料の値上げに繋がる可能性が高いので、私としては区分所有法第44条第1項に基づく利害関係人であるとして、総会の席で意見を述べたいと考えています。
果たしてこのような場合、賃借人が総会に出席し意見を述べるのは可能なのでしょうか。

区分所有法では、専有部分の賃借人等の占有者(以下占有者と称します。)に対しても、共同生活の上で規律の遵守を求め様々な義務を課しています。(法第6条3項等)

また、総会(集会)の決議に関しては、占有者も建物等の使用方法について区分所有者と同一の義務を負うこととしています(法第46条2項)。そこで、占有者は自らの利害関係に大きく関わる決議事項については、総会に出席して意見を述べる機会を与えられ、占有者の利益保護が図られています。(法第44条1項)

但し、この意見陳述権は「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者」が、「会議の目的たる事項につき利害関係を有する」場合に行使できます。
では、今回のケースでは上記の条件を満たしているのでしょうか?

質問された内容から、貴方はマンションの1室に賃借人として住んでいるとのことですので、貴方は当然に区分所有者と賃貸借契約を締結したうえで入居していると考えられます。そうなると、賃貸借契約によって区分所有者より専有部分を占有する旨を承諾されていると考えられるので、「区分所有者の承諾を得て専有部分の占有を行っている」という条件は満たしていると考えてよいでしょう。

では、もうひとつの条件である「会議の目的たる事項につき利害関係を有する」には該当するのでしょうか?ここでいう「利害関係」とは法律的な利害関係を指すのであって、単なる事実上の利害関係を含まないと解されています。法律的利害関係とは、建物等の使用方法を定めた規約の設定、変更など、占有者が直接拘束されるものと考えられています。(法第46条2項)

今回のケースのような管理費の値上げの場合、それが賃料の増額という形で占有者に影響が及んでくることが考えられますが、これらは間接的な利害関係であり、法律上の利害関係とは区別されて考えられています。なぜなら、管理費が値上げされたからといって必ずしも賃料が値上げされる訳ではないからです。また、賃料の値上げというものは周辺相場や物価の動向など様々な要因で決定するものであり、管理費の値上げはその要因 の一部ではあるが賃料の値上げと直接連動している訳ではないということから考えると管理費の値上げの決議は占有者が直接拘束される決定とは考えられず、利害関係があるとしても「法律的な利害関係」ではなく「事実上の利害関係」にあたると考えられます。

つまり、「会議の目的たる事項につき利害関係を有する」という条件には当てはまらないと思われます。そうなると、「会議の目的たる事項につき利害関係を有する」という条件を満たさなくなりますので、この件で占有者が総会に出席し意見を述べるということは難しいのではないかと考えられます。

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