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非常時に備え全戸マスターキーを設置したい‐マンションに関するQ&A

マンション管理Q&A

Vol.03 非常時に備え全戸マスターキーを設置したい

非常時に備え全戸マスターキーを設置したい

管理組合で防災担当理事をしております。
先般の理事会で、不測の緊急事態に備え管理組合でマスターキー(合鍵)をもった方がいいという意見があり、私がその是非につき検討して、報告することになりました。確かにマスターキーがあると、マンションで火災やガス漏れがあったような場合に、すぐに対処できマンション内での被害を最小限に抑えられるので、防災上意味があり、有益であると思います。

一方、各住戸に簡単に入れることにもなるので、マスターキーが盗まれたり、悪用されたりして、逆に犯罪を誘発するおそれも高くなるので、十分気をつけてキーの管理をする必要が出てきます。そのため、運用ルールを定め、決議を取る必要があると考えていますが、この場合どういったルールが必要なのか、またこの議題は総会の普通決議で決めて良いものなのでしょうか。

標準管理規約では、専有部分の範囲を定めた第7条第2項第三号で、「玄関扉は、錠及び内部塗装部分を専有部分とする。」と規定しています。
また、各専有部分は各区分所有者が自分の責任と費用で管理するというのが、マンションの運営管理の原則です。

ご指摘の通り、火災発生時など非常の場合に専有部分に立ち入れるという面では、防災上有益かもしれません。しかしそのような場合はバルコニーのパーテーションや窓ガラスを壊せば入ることは可能です。
むしろ、まだ発生していない非常事態に対応するために、マスターキーという専有部分の機密性・安全性を脅かしかねないものを作成する必要があるかどうかという観点から考えるべきではないでしょうか。

専有部分に関する事項は、本来管理組合の責任範疇ではなく、また明白に緊迫した危険があるわけではないので一般的にはマスターキーを作る必然性が薄いのではないでしょうか。従って例えマスターキーの作成について総会に諮っても、賛意の決議(多数決)を得るのは大変困難だと思います。

仮に区分所有者が趣旨を理解して、全員一致でマスターキーの作成に同意して管理組合としてマスターキーを持つことになった場合でも、住戸の売却等で区分所有者の変更があったときには新たに区分所有者となった人に対してそのつど個別の同意を得る必要が生じますし、マスターキーの運用上で、万一事故や犯罪が起こった場合の責任は、すべて管理組合が負わされる恐れもあります。このように考えると、管理組合の立場からはマスターキーを作成するということ自体を再考した方がよいのではないでしょうか。ちなみに、最近のマンションではマスターキーは作成されていないようです。

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