
「住宅を営業所として使用してはいけない」という規約による制限はそもそも無効ではないのか? |
所有するマンション住戸のうち2部屋を使い、昼間、社員を3人雇って通販の会社を経営しています。また他の部屋は居住用に使っており、住民票もこのマンションの住所になっています。先日管理会社の担当から、管理規約に反するので、営業所としての利用は止めるように要求されました。 |
マンションの規約には、その専有部分の用途について、例えば「その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」と規定しているケースがほとんどです。また、1階部分が店舗となっている複合型のマンションでは、通常、住居部分と店舗部分に区分して用途について規定しています。マンションの専有部分区分所有者は、その所有権の内容(民法第206条)に従って自由に使用・収益・処分ができることを原則とします。 ■区分所有法 |
従いまして、上記の規定は「区分所有者相互間の事項」であって、妥当なものであり、制限の程度・方法に合理性がありますので有効と考えられます。判例でも、専有部分の用途を住宅に限る規約を有効としています。
1. 東京地裁判決: 昭和63年11月28日
2. 東京地裁八王子支部判決: 平成5年7月9日
3. 横浜地裁判決: 平成6年9月9日
なお、特定の人に転売を禁じたり抵当権の設定を禁じたりすることは、所有権に対する重大な制約ですし、「区分所有者相互間の事項」ではありませんので制限はできません。また、外国人に賃貸をしてはいけない旨の制限は、不合理なので無効でしょう。
また、このような用途を巡る紛争の発生を防ぐために、宅地建物取引業法施行規則により、重要事項説明に於いて、その専有部分の用途その他制限に関する規約の定めについて説明義務が課されています。