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1階居住者よりエレベータ維持費負担の減免要請があったが‐マンションに関するQ&A

マンション管理Q&A

Vol.06 1階居住者よりエレベータ維持費負担の減免要請があったが

1階居住者よりエレベータ維持費負担の減免要請があったが

マンション理事長です。先般当マンション1階に住む区分所有者より「1階住人はエレベータを使用しないのに、エレベータ保守費を他の階の人と同額負担するのはおかしい。受益者負担ということで2階以上の住人が負担すべきではないか。」との要請を受けました。その要請を受け管理費の変更を検討する必要があるのでしょうか。

一般的に管理費は、持分(住戸の専有面積)の割合に応じて負担するように定められています。これは、区分所有法第19条「各共有者は、規約に別段の定めがない限り、その持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収受する」の規定に基づいたものです。裏を返せば、上記法でもあるように「規約に別段の定め」があれば、「持分割合に応じて」負担しなくてもよいと考えられますので、もし今回管理費の変更を行なうとしたら、この考えに基づくものとなります。

では、次にその区分所有者がいうように、エレベータ保守費を受益者負担にするよう「規約に別段の定め」をするべきかという部分を考えてみます。
そもそも管理費は、マンション及びその敷地の維持・管理に必要な費用を区分所有者全体で負担するという考えで設定されており、その負担の割合には、各区分所有者の共用部分の利用頻度などは反映させていないのが一般的です。

もし個々の利用頻度を勘案し管理費の設定に反映させていたら、「マイカーを所有しないので機械式駐車場の維持費用を負担したくない」とか「子供がいないのでキッズルームの改築費を支払わない」という意見も反映させなければならなくなります。このように区分所有者個々の言い分を反映させていたら収拾がつかなくなり、かえって不公平が生ずる恐れもあります。

また、エレベータは、確かに1階に住む住人は利用せず2階以上に住む住人が必要としている設備ではありますが、それが存在することでマンション全体の資産価値を高めているのも事実です。そう考えると1階の区分所有者も「自室の資産価値の向上」という形でエレベータの恩恵を受けているといえますし、そうなると1階の区分所有者が現状通り他の階の区分所有者と同額の管理費を払うことはあながち不公平とはいえないのではないでしょうか。このように考えると、ご質問があった1階の区分所有者の要請に応じ、管理費の変更を検討する必要はないと考えられます。

なお、本件同様にマンションの1階の居住者が「エレベータは2階以上の居住者の一部共用部分である」とする訴えを起こした事件があり、それに対し東京地裁は「全体共用部分である」とする判決も出ており、エレベータは全体共用部分なので、その管理費用は持分割合に応じて管理費から応分に負担するという現行の考え方が妥当であるといえるでしょう。

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