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エレベーターを安全に利用するには‐マンションに関するQ&A

マンション管理Q&A

Vol.08 エレベーターを安全に利用するには

エレベーターを安全に利用するには

私は築25年のマンションの理事長を務めています。
当マンションのエレベーターは、メンテナンス会社に依頼して月1回の定期点検と年1回の定期検査を実施しています。
これまで特に大きな問題は起きていませんが、他のマンションでエレベーターの閉じ込め事故があったというような話を聞くと当マンションでも同様の事故が起きないか不安になります。居住者が安心した生活を送れるようにすることが第一だと思いますので、そのためのエレベーターの安全対策について特に注意すべき点があったら教えてください。

エレベーター事故(故障)を100%防止するということはできませんが、懸念されているように、適時適切なメンテナンスをしておかないと、最悪の場合、生命にかかわるような事故につながりかねませんので、定期的で計画的な点検・整備・検査が欠かせません。そのためには、まず技術・技能教育を繰り返し実施することで技術能力の高い信頼のできる十分な数の専門技術者を擁しているエレベーターメンテナンス会社を選ぶ必要があります。

またエレベーターの故障は、部品の経年劣化が原因で発生することもあれば人為的問題に起因して発生する場合もあります。
部品の経年劣化による故障については、エレベーターのメンテナンス会社が概ね月1回の間隔(保守会社との契約の内容等により異なる)で点検並びに整備を行うことで、予防できると考えられます。また、遠隔監視システムを導入すれば、24時間365日の常時遠隔監視診断と適時の自動診断運転を通して、事前に不具合を予兆し対応することができるので、大きな事故の発生防止に大変有効です。
なお、マンションの点検業務委託契約ではメンテナンス会社へ委託する業務内容により通常次の2種類があります。

1)フルメンテナンス契約
意匠部品、機器の一式取替を除いた部品の交換や修理を含んだメンテナンス契約

2)POG契約
POGとは゛Parts Oil and Grease゛の頭文字を取ったものです。消耗部品付き契約のことで、定期点検、管理仕様範囲内の消耗品の交換は含まれますが、それ以外の交換、修理は別途料金が掛かる契約

人為的な事故の予防については、エレベーターを利用される方に啓蒙することが効果的です。
人為的事故を直接的または間接的に誘発する例としては下記のようなものがあります。
・エレベーター内にゴミを捨てる(敷居溝にゴミが溜まり故障の原因となる)
・かご内で暴れたり飛び跳ねたりする(閉じ込め事故の恐れがある)
・エレベーター内で喫煙する(エレベーター内火災に繋がる恐れがある)
・エレベーター内または乗り場の扉に寄りかかったり、扉に手をついたりする(扉が開いた際ころんだり、戸袋に手を引き込まれる恐れがある)

エレベーターの経年劣化を防止するための点検と整備、そして人為的な事故を防ぐための利用者マナーの徹底を行えば、かなりの程度の安全性が期待できるのではないでしょうか。

なお、お問合せによると貴マンションのエレベーターは既に設置後25年が経過しているとのことですので、保守部品の供給期限も近づいておりますし、エレベーターのご利用状況によっては安全面から考慮してそろそろエレベーター設備(巻上機・制御装置など)の取替え時期に差し掛かっているかも知れません。一度メンテナンス会社に設備のリニューアルの必要性を提案させてはいかがでしょうか。
マンションなど鉄筋コンクリート建造物の寿命は50~60年といわれておりますが、昇降機の計画耐用年数は25年(※)と設定されております。尚、法定償却耐用年数は17年です。
※ (社)建築・設備維持保全推進協会のLCC(ライフサイクルコスト)評価指針による

また最近は既存のエレベーターに耐震構造強化策の実施したり、地震時管制運転システム、停電時自動着床装置等を追加したり、防犯カメラを設置したりすることでエレベーターの機能や安全性を高めることもできるようになりました。こういったエレベーターに付加機能を追加することはマンション自体の資産価値を向上させることになるので、設備の取替えを行う際にあわせて検討されてみてはいかがでしょうか。

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