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高置水槽を撤去し最適な給水方式に変更したい‐マンションに関するQ&A

マンション管理Q&A

Vol.09 高置水槽を撤去し最適な給水方式に変更したい

高置水槽を撤去し最適な給水方式に変更したい

私は築22年のマンションで修繕委員をやっています。先日の修繕委員会において、管理会社より高置水槽が経年劣化しているので来年度に予定されている大規模修繕工事の折に交換した方がよいとの助言がありました。それを受けて修繕委員会で検討した結果、現在の給水方法にこだわらず、最も適切な給水方式を採用する方向で意見がまとまりました。
ついては、どのような給水方式があって、それぞれにどのような特徴と利点があるのか、また当マンションにはどの方式が一番適切なのか教えて下さい。
なお、当マンションは8階建て60戸のマンションで、約200名の居住者がいます。

以前は貴マンションのように、高置水槽方式を採用しているマンションが多かったのですが、最近は技術も進み様々な給水方式の選択が可能となりました。実際に最近は高置水槽の交換時期に他の給水方式に変更するマンションが増えてきているようです。

マンションで一般的に採用されている主な給水方式の種類とそれぞれの方式の概要とメリット・デメリットは以下の通りです。

概要 メリット デメリット
■直結給水方式
直結給水方式
・道路内の水道本管から水道管の水圧により直接供給する方式
・低層マンション(一般には3階建てまで)では採用可能
・受水槽・高置水槽等が不用で清掃・点検及び維持管理費用がかからない
・直接新鮮な水が供給できる
・停電時断水にならない
・高台で圧力が低いところや夏季の使用水量が多い時期は水圧低下により一時的に供給能力が低下することがある
・水道本管断水時には即断水となる
■直結増圧方式
直結増圧方式
・増圧給水ポンプにより水道管の水圧に加圧することで水道本管から直接供給する方式
・全マンションでの1日最大使用水量が50㎥以下であれば一般に10階建てマンションまで採用可能
・受水槽・高架水槽等が不要なのでそれらの清掃・点検及び維持管理費用がかからない
・直接新鮮な水が供給できる
・増圧給水ポンプの点検及び維持管理費用が必要
・停電時には断水が生じる
・給水管の耐圧力が不足している場合には給水管の交換が必要となる
■高置水槽方式
高置水槽方式
水道本管からの水を一旦受水槽に貯めポンプにより高置水槽に送り揚げて重力により各戸に供給する方式 高置水槽に貯められた水が残っているので、災害等により本管が断水したり、停電に遭ったりしても、初期の一定期間は給水を受けることができる ・受水槽・高置水槽等の清掃・点検及び維持管理が必要
・水槽が大容量の場合にはそれを支える建物構造の強度が必要となるので、一般的に建築費が上がり、また美観上の問題も出てくる
■加圧給水方式
加圧給水方式
水道本管からの水を一旦受水槽に貯め、加圧給水ポンプにより上層階の各住戸に圧送し給水する方式 ・災害等で断水になった場合、各住戸への配水はできなくても一定期間は受水槽に貯められた水を受水槽から直接引き出すことで利用できる
・高置水槽が不要のため、外観・美観上好ましく、建物での積載荷重の軽減を図ることができる
・受水槽の清掃・点検及び維持管理が必要
・停電時にはポンプ等が停止するため断水する

今回は費用軽減効果の観点から最適な給水方式を検討されているようですが、上記の比較表を参考にして、まずは貴マンションの仕様や考えられる物理的、構造的な制約を分析検討し、さらに予算面の制約や導入した際の費用対効果等を比較検討することにより、どの方式が最適か判断できるのではないでしょうか。

一般的に言えば、貴マンションは8階建とのことですから、通常は3階建て以下の低層マンションを対象とした「直結給水方式(図1)」の採用は難しいと思います。
また、約200人が居住する場合に想定される1日の最大使用水量(約50㎥)を前提とすると、増圧給水ポンプ方式による上階への給水は可能なので理論的には「直結増圧方式(図2)」は採用できることになります。※ しかしながら、「直結増圧方式」の場合は一般的な基準では採用可能であっても、マンションの居住者数や立地などの特性により適正な給水量が確保できない恐れがあるので、事前に管理会社や水道工事施工会社など専門家と相談し、実際の最大使用水量やマンションの立地等諸条件を十分確認する必要があります。

「加圧給水方式(図3)」については、貴マンションの条件で比較的制限がなく導入できると思われます。従ってこの方式と、前述の「直結増圧方式(図2)」や従来通りの「高置水槽方式(図4)」を含めた3方式を検討対象にしてこの中から最適な方式を選択されてはいかがでしょうか。

いずれにしましても、ご質問にあるお話では確定的なことを申し上げられませんので、マンション管理会社や水道工事施工会社などとも相談し、様々な角度から検討を加え長期的な費用・収支計画を立てて、もっとも管理組合にメリットがある選択をされることをお勧めします。

※上記の想定使用水量および基準は直結増圧方式に使用する「水道用直結加圧ポンプユ ニット」に関する日本水道協会規格の推奨基準(使用時圧力0.75MPa)をもとに算出 された一般的な基準です。

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